#シュトーレントリップ Vol.2-3ー山田雄一さん・YAMAMEさん(THEATER HAIR & SALON)ー
広島でTHEATERを開くまで
前: それでは、お2人は これからどうされていくのかなっていうお話を。ここでもうあと100年ぐらいお店されるのかな、と。笑 めっちゃいいお店ですよね。
山田: ありがとうございます。 (店を)よく言ってもらえるのが本当に素直に嬉しくて。次の場所に移りたいなっていう思いがちょっと僕らの中にあるので、それを言うと結構皆さんに「もったいない」とか「なんで」とか言われます。
前:本当にすごくいいお店だなと思います!!
山田:そんな風に言っていただいて本当に嬉しいです。この場所を見つけるのは結構大変でしたね。甘く見てたのもあったんです。
前:店舗を構えるのは、どういう段取りでしたか?
YAMAME:とりあえず広島に引っ越してきて、彼の実家の2階に居候させてもらって。ま、すぐ決まるだろうと思っていて。
山田:広島ぐらいなら、空き物件いっぱいあるだろう。そんな感じでした。
YAMAME:私たちが広島で働いて独立っていうんだったら、ビルの2階とかでも全然良かったんですけど、そうじゃなかったので、1階が良かったんですよ。細長いような物件じゃなくて、横に広さが欲しかったんです。光が直接当たらなくても、窓が欲しかったり。あとはエリアも考えました。広島の中でも、この場所はこんな感じっていうのがあって、お客さんの層や人の流れがそれぞれ違うので。
前:土地勘はあったんですか?
山田:なんとなく。でも思っていたのと全然違いました。中学生の時とは。僕、広島でもちょっと田舎だったので、あの辺はあんな感じかなぐらいなというイメージだったんですが、思ってたより家賃高いじゃんってびっくりして。笑 まずエリアを探すのに、当時車もなかったので歩き回っていました。歩かないと人って見えないかなと思ったので。
前:山田さんおいくつの時ですか?
山田:32、33歳ぐらいですね。8年か9年前で。歩き回って何か所かエリアを回って、この街はこんな感じあんな感じって分かってきて。ここが東海橋っていう場所なんですけど、すごくいいなって思って。市街地からも川を渡って5分くらいなんですね。近くに平和公園があって、緑があって、川が近いなと。エリア的に、お仕事をされている方が多い街なんですけど、僕らも東京で勤めてた時にお客様がお仕事されてる方が多かったので、そういった経験からも自信もありました。でも、結局見つけるのに10ヶ月ぐらいかかりました。1階っていう条件や、僕らが思った広さや金額に出会えなくて、不動産も30件40件ぐらい歩き回って。名刺もらってまた同じ物件案内されたりして、知ってます、みたいな。笑
前:そっか、そんなに大変だったんですね。
山田:ここは結構最初に見つけていたんですよ。でも、外観もすごく暗いし、 元々事務所だったんですけどボロボロだったんですね。
YAMAME:中身が見えない格子の入ったガラスだったので、中も全然分からなかったですし、謎のソテツみたいなものが植わっていて。笑
山田: 中もタバコの煙って言うか、ヤニで暗くて、トイレも和式だったんですね。ここでやるの? って業者さんも含めて、ほとんどの人に反対されたんです。でも僕はこれはやりがいがあるんじゃないか、変われるんじゃないかって。
前:変わってますよね。
山田:だいぶ変えちゃいましたね。以前の状態を知ってる方は、次に移るのはなおさらもったいないって言われますね。
前:確かに。
YAMAME:オーナーさんもすごくいい方で、素敵にしてくださるんだったら変えていいですよ。って。
暮らしと生活をもっと近く
前:そういった環境もありつつ、次の場所を探してらっしゃると。
山田:そうですね。僕らも働きながら、もっともっと違った感じを見つけたというか。
YAMAME:より暮らしと仕事を近くするには、住居兼にするしかない。
山田:そうですね、住居兼美容室で。
前:海が近い場所ですか?
山田:そうですね。ライフスタイルの中に海が入ってるので。サーフィンってなってくると太平洋もしくは日本海というところで、やっぱり太平洋が魅力的だったんですよね。そういう意味では、高知いいですよ! めちゃくちゃいい。
前:高知いいですよね! 黒潮町あたりも。
山田:本当に食べ物美味しいし 本当に海も綺麗だし、いいよね! うん、すごい大好きです!!何年前から通ってたんだっけ?
前:通うってまあまあ距離ありますもんね。
YAMAME:大岐の浜にサーフィンを教えてくれる先生みたいな、師匠みたいな人を見つけて。
前:あの小屋のところ?
前:スクールっぽい所ありますよね。
山田:そうです、そうです!
山田:そこのumihiko先生に出会ったのもあって、土佐清水に通うようになりましたね。
YAMAME:それでだいぶ凝り固まった頭と体をほぐしてもらった感じなんですよ。
前:そうなんですね。
山田:もう体が力みすぎて力みすぎて、表情が凝り固まってたんですよ。仕事ばっかりだったのもあって、眉間にしわ寄ってずっとこう!!(怖い表情)
前:怖っ!!笑
山田:サーフィンってどっちかっていうと緩いイメージじゃないですか? 緩まないともっともっとうまくならないよって言われて。
YAMAME: 山田君考えすぎ! って言われてね。笑
山田:最初は何を言ってるのか分からなくて。理解できるまでに1年ぐらいかかりましたね。やっと今、そういうのはなくなったような気がしています。
YAMAME:ちょっと分かるようになったよね。
山田:そうですね。人って力んで考え過ぎると眉間を寄せちゃったり、やっぱり体もこうなるんですよね。
広島から新天地へ。
前:高知でほぐれて、次の場所は…。
山田:宮崎ですね。
前:宮崎も結構行っていらっしゃる?
山田:2年前ぐらいですかね。宮崎を知ったきっかけは結構前なんですけど、今は月に1回ぐらいは宮崎に足を運んでいます。
前:素朴な疑問なんですけど、そこ(宮崎)に行っても自分たちだったらやれるなっていうのがあるから行かれるんですよね? そこに店舗兼住居を買ったんですか?
YAMAME&山田:まだ買ってはないですが、買う話で今進めています。
前:そこの土地柄とか感じとかはサーフィンで行っているからなんとなく分かるんですか? 歩き回ったり?
山田:そうですね。サーフィンして午後から街を歩いたりとか。
前:なるほど!
YAMAME:でもめちゃめちゃ自信があるとかじゃないです。
山田:ないです。本当に不安でしかない。笑
前: 不安なのに一歩踏み出せるのがすごいですよね。
YAMAME:正直広島に来て0からスタートした時も大変すぎて、初期の記憶が抹消されているんですよ。笑
前:なるほど。笑 いい意味で忘れているんですね。
YAMAME:もう一回やってしまったら、あ、なんかこんな感じだったなってなると思うんですけど。
前:それも2人でやったら、まあ大丈夫だろうと!?
YAMAME:う~ん。
前:なんかすごい。
YAMAME:広島で、例えばここからそれほど遠くない場所に引っ越して、お店に来られる人と来られない人が出てきちゃうよりは、お客様がもうゼロからの方がいいかな、って
前:ああなるほど。振り切りましたね。僕はできないです。ちょっとクラクラする。笑
自信がないっておっしゃっていたかもしれないけれど、自信がなくても踏み出せるのもすごい。暮らしと仕事を近づけたいっていう方のボリュームが大きくなって、ですね。
山田:そうですね。
しっかり休んでいい仕事をする。
山田:自信はないけどやってみたいなと思うのは、実際にできている人に出会ってるっていうのがあるよね。僕らから見て、確かにそういう生活ができている人が少なからず何人かいらっしゃって。そういう人たちから刺激をもらっています。
前:美容師さん? サーフィンしてる方? 宮崎の方?
山田:いろんなジャンルですね。
前:いい方に出会われていますね。
山田:はい。でもその方たちも、正直僕らから見るとそうですけど、そうじゃないかもしれない。もしかしたらすごい詰め込んでいらっしゃるかも。そんなことはないよって言われるかもしれないですけど、でも僕らから見ると、ああやってできるんだな、とか、幸せなんだな、豊かなんだなとか。 例えばお子さんがいらっしゃって、子どもたちもみんな幸せなんだなとか。そういうの見た時に、その人たちと同じことはできるかわかんないですけど、学ぶというか、ありなんだな、って。
前: 僕は(そういう方に出会うのは)初めてです。経営している人とか馬車馬のように働いたりしている方ってよく会うので、その方たちがメディアに出たり新聞に出ていたりテレビに出ていたりするので、本当すっげえなって、ずっと思いながらやっているので。 お2人のような暮らしと仕事を大事にしてやっていらっしゃる方にお会いできたのは僕たちにとってはいい出会いだなと思いました。
山田:いやいや。
前:そのきっかけでそんなに変わっていかれるんですね。
山田:もしかしたら元々そういう方がいたかもしれないですけど、それに気づけていなかったかもしれないですね。僕らもそれがちょっと気付けるようになったというか、なんか面白そうなことやってるな、なんでそこでこれができているんだろうって。
前:お店をやったり事業されている方が多そうですね。
YAMAME:お店とかやっている方が多いですね。
山田:そうですね、飲食店とか。
YAMAME:こんなにいっぱい休んじゃうんだ、みたいな。
前:え~~。
山田:やっぱり生活が豊かっていうか、ライフスタイルが充実されてる方って、良い仕事ができている人が多いような気がして。僕らは逆に仕事を詰め込むと、ちょっと仕事が雑になるなっていうのがあって。本当はダメなんですけど、東京にいる頃、正直ちょっと感じることもあったんですよ。
自分たちも休みをしっかり取ったら、いい仕事ができるな、っていうのはちょっと僕らも分かった時があっ て。なのでやっぱり、しっかり休むもそうですし、しっかり充実した休みを過ごす、趣味を過ごす、好きなことができてるっていうのは 仕事に還元できて、そうすると結果が最終的についてくるんじゃないかなって いうのは思いました。遠回りしてるかもしれないですけどね。何がどうか分からないけれど。
前:心の余裕があって、仕事に向き合うって大事ですよね。仕事だけを詰め込んでしまうと、詰めが甘くなったり、最後こうしたかったのになって思いながらずっと暮らしていくことになる。それってしんどいですし、それだったら自分のできる範囲でってことですよね。
山田:僕の勝手な理論なんですけど、 生きている中で多分仕事が6割7割を占めて人生を過ごす方が多いなって。
前:うんうん。
山田:まあそういうもんでしょうって言われると思うんですけど。でもせっかく一生に一回ですよ。かと言って、仕事せずに遊ぶっていうのは無理ですけど、やっぱり好きなことをする割合が、人生の時間の中で多ければ多いほど、お金がどうとかっていうよりは本当に心が豊かになれるんじゃないかって。
前:はぁ~言いたい!!
山田:それにすごい憧れていて。とはいえ僕も、やっぱり仕事のことを考えてしまうのは普通なんですけど…。常にそうならないようにセーブセーブで、好きなことを多くするように心がけています。
前:遊びに行かせてください!!笑 心の洗濯をしに参ります!!
#シュトーレントリップ 編集:刈谷明子
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(取材後記 前)
お会いしたのは初めてでしたが、お仕事やお客さまに対する姿勢は共感することしきりで、まだまだお話ししたい気持ちでお店を後にしました。
#シュトーレントリップ、始まったばかりですが豊かな出会いに改めて感謝した1日になりました。
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2024年2月16日