#シュトーレントリップ Vol.2-2ー山田雄一さん・YAMAMEさん(THEATER HAIR & SALON)ー

豊かな時間を過ごすことで、やりたいことがいっぱい生まれた

写真:シアターヘアサロンの山田さんとYAMAMEさんです。

山田:仕事が終わって家に帰って寝るだけ、家に帰って何もできない、朝もご飯を食べられずに仕事に行くのが当たり前だったのが、コロナになった時に、仕事がないおかげで、家でやることがしっかりできて、気づいたんです。朝ご飯ってちゃんとしっかり食べるのが大事なんだなとか、夜のこの時間大事だなとか、ちょっとこの1時間が大事とか、早く寝る朝早く起きるっていうのが、心の余白っていうんですかね。それをコロナに教えてもらったというか。辛い面もありましたけど、「僕らは僕ら」ってことに気付けた。すごく変われたターニングポイントでした。

YAMAME:豊かな時間を思い出したね。

前:コロナがなかったら結構まだ走っていたかもしれない?

山田: かもしれないですね。

YAMAME:途中で体調も崩したり、タイミングが重なってという感じですかね。

山田:そうそう。なんかいろんなタイミングですね。 結局体が一番なので。 体を壊してまで仕事をするっていうのは、もちろんそれも1つあるかもしれないですけど、結局できなくなってしまうのであればね。

人それぞれのできる範囲があって、体調崩してしまった時に、これが僕の限界だったとか、ここまでいくとこうなっちゃうなっていうのは少し分かったので、そうならない程度に仕事をしたり、スケジュールをたてないと、と考えるタイミングであったような気がします。

前:まず家のこともしっかりして、休みの日はサーフィンもしたり?

山田:そうですね だいぶ変わりましたね。

YAMAME:久しぶりに会った人とかにすごいびっくりされる。雰囲気も変わりすぎって。

山田:はい、そうですね。

前:いや~、それなかなかできないです。笑

山田:わかんないですけどね。それでも僕らもまだまだ抜かなきゃいけないことがあって、抜いていきたいなと思ってるので。

 

YAMAME:やりたいことがいっぱいあるんですよ。

前:それはTHEATERとして?

YAMAME:仕事ももちろんしたいし、家での時間も欲しいし、趣味もしたくて、ちょっと余白も欲しいので、この時間をどう1日に組み込むかみたいなのを考えてます。

前:かっこいいな~。いいですね。

山田:そうするためには、仕事と生活を離す必要はないのかなと。近ければ近いほど、移動にかかる時間や準備する時間、いろんなものが取り除かれるので、できることが増えたり、余裕ができたりしますよね。荷物を持たなくて体が楽になるような感じ。生活の余白が持てるって大事なのかなって。

YAMAME:でも詰めちゃうけどね。

山田:うん。それでもやっぱ余白があると、詰めちゃう。これは人の欲求なんでしょうけどね。

 

故郷との距離感

写真:シアターヘアサロンの山田さんとYAMAMEさん、カゴノオトの前です。

前:今回の僕の裏テーマとしては、僕が広島出身で長男で、いつか帰ると言いながら結局東京で暮らして、今は高知にいるので。

広島に帰っていないことを、どこかで引け目に思っているんです。

THEATERさんは「広島出身で東京で働いて、いま広島に帰っとるんじゃー」と思うと、この方に会って話を聞くとまずいと思ってて。笑

山田・YAMAME:笑

前:「なんで広島に帰ってこないんだ」と言われるんじゃないかと。だから僕は連絡しづらいと思っていたら小清水がTHEATERさんに連絡してて。笑 まずいと思ってたんです。

山田:いやいやいや笑

YAMAME:笑

前:故郷に対する向き合い方って人それぞれだと思うんですが、自分のルーツや、大事にしたいなって思ってる人がいたりする場所に向き合っていってるのかなと。 皆さん色々あるだろうなと思うんですけど、どういうふうに折り合いをつけて故郷と向き合ってらっしゃるのか、それをお聞きしたいなと思ってました。

山田:そうですね。僕は、正直、そんなに重くはないですね。 うーん。むしろ重くないですね。笑

前:ですよね。僕が勝手に重くしている気もするんですよ。自分で自分の足かせをつけてるような気もしていて…。笑

YAMAME:でも(彼は)そもそも中学の時までしかいないんですよね。広島に。

山田:そうです。中学まで広島にいてそのあとは神戸で一人暮らしをしていたので。

前:僕も中学までしか広島にいないんです。山田さんも広島の人の繋がりも中学ぐらいで止まっているんですね。

山田:そうそうそう。僕もすごい広島が長かったってわけでもなく、広島に帰ってくるまでだと、東京の生活が1番長くて。 だからカルチャーなど広島のものが自分の中に入っているかというと、そんなには入ってないのかもしれない。

 

広島生まれの山田さんと前、原爆体験を伝えていくこと

前:これはちょっと仕事とは離れるかもしれないんですけど、広島で生まれ育って、8月6日は全国が登校日で、『はだしのゲン』を見る日だと思ってたんですね。広島以外の場所に住んだ時に、他の地域はそうではなくて。原爆を体験した人も近くにいなかったりもするんですよね。原爆があったことに対して学んでいるとか、自分が積極的に関わっているわけでもないんですけど、その日が来ると落ち着かないというか…。でも忙しかったら8月6日を忘れてたりもするんで、それでちょっとへこんだりもするんですけど。

お二人は、気持ちの中で原爆や8月6日をどう捉えられてますか?

山田:僕も小学校中学校まで広島にいて、おじいちゃんが被爆者になるのかな。

前:うちもおじいちゃんがそうです。

山田:父親のお兄さんが2人、赤ちゃんの頃に原爆で亡くなっていて、おじいちゃんや父親からその話を聞いていたので、当然自分の生まれる前の話なんですけど、 結構身近に感じることだった。前さんも同じだと思うんですけど、学校でも話を聞くので、他の県に住んでる同世代よりは、多分知ってることは多いと思います。小さい頃ってそれが当たり前で、8月6日は学校登校日で、サイレンが鳴るとか参拝するとか墓に参るとか。

前:テレビでもいろいろやりますものね。

山田:それがもう当たり前だったと思うんですよね。でも、僕も離れて東京で生活していると、やっぱりそういう意識は薄くはなりますね。報道もあまりされないし、されたとしても地域をあげてではないですし。忘れてはないんですけど、関わりが薄くはなって・・・。

彼女は埼玉出身なので、授業などでも広島で育ったようなほど学んではないかもしれないし、そういう環境ではなかったかもしれないです。

でも広島に帰ってきてから9年経ちますけど、やっぱり近くなってくるとざわざわしてきます。人の流れも変わってきますよね。お店が平和公園に近いので、例えば警察の方が1週間前ぐらいになると、いろんな所から警備で来られたり。あとは確実に県外から人が来られてるなって。外国人の方もそうですし、おそらく原爆に携わって、普段は県外に住んでる方がそのタイミングで来られるので、8月6日はなんか特別な感じはします。当日になると朝サイレンがなるので、 洗濯物干してたりとかしてても、自然と黙とうしています。

前:いいですね。

山田:広島に住みだすとまたそうやって思い出しますね。

山田:YAMAMEさんはどう? もともと住んでいたわけじゃないけれど。

YAMAME:広島の小学生とかが何時何分まで覚えているのが結構衝撃で。日にちはもちろん私たちも習いましたけど。

山田:そうですね。8時15分ね。

YAMAME:私は逆にこっちに来てから意識するようになりましたね。

山田:特別な感じは確かにはしますよね。これは僕の考えなんですけど、過去のこともちゃんと残していかなきゃいけないし、ちゃんと伝え続けながらも、暗くならないことが1番なのかなって。平和公園でも8月6日の夜は、灯ろう流しという、神秘的な幻想的なことをしていたり、 アーティストの方がライブのようなことをしていたり。僕は広島に帰ってきてから知りました。いつからかは分からないんですけど。なんか暗くないっていうか、下だけ向いてるような感じではないなって。そういう風に伝えていくのはいいことだなって思います。

前:うちの周りの親戚以外であんまり話すことがなかったので、ここは平和公園からも近いですし、どんな風に思ってらっしゃるのかなと思って聞かせていただきました。

 

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編集:刈谷明子

 

THEATER HAIR&SALON

〒730-0854 広島県広島市中区土橋町2-43光花ビル1F 082-294-3235

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2024年2月9日

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