カフェに思う

カフェに思う。
四万十に引っ越して来る前はホテルのレストランで朝から晩まで料理をしてたので、正直、もう料理の仕事はいいやと思っていました。
東日本大震災が起きてライフラインが止まった事も東京から引っ越す大きなきっかけになったので「暮らしの基本の食べ物を育てたい」と、高知で有機農業を営む桐島畑で働かせてもらう事になりました。
実際に畑に行って目の前で育つ野菜を見ると力強く、そのまま生で食べても美味しくて、畑が料理をしてくれてるようにも思えました。
そんな美味しい野菜を食べて、半年もするとまたぞろムクムクと料理をしたくなる気持ちが湧いてきて、友達の家に出向いてコース料理を提供する「出張料理」や地域のお祭りや各地で行われるイベントで料理を作って出す「イベント出店」も始めていました。


ただ「出張料理」や「イベント出店」は、どうしても一過性のものだし、特にイベント出店の場合はそのイベントに乗っかってるだけなので、広がりにも限界を感じて、自分達の拠点を作ろうとカフェを始めました。
そしてそろそろ4年が経とうとしています。
店を始めて紆余曲折あったし、始めた事も辞めた事も沢山あるけど、開店当初から何故か変わらないのは、とりあえずお客さんに話しかけてみる事。
「やり過ぎだなぁ〜」とか「ほっといてくれる店もいいよなぁ〜」とか思いながらも気になるからついつい話しかけて、挙句、他のお客さんとかも紹介し始めて絶対1人になりたい時には向かないカフェに仕上がってしまいました。


たまにやり過ぎたかな、と思う時も無くは無いけど、お客さん同士が繋がってくれるのが楽しくて、またついつい話しかけてしいます。
来てくれたお客さんが何かしらホッと一息つけたり、何かしら新しい出会いがあったり、老若男女も入り混じるカオスな空間になったりすると「カゴノオトっぽいなぁ〜」と思います。
時たまカウンターの中から客席を見るとちょうど映画館のスクリーンに映し出されてるワンシーンみたいに見える時があって「よ!ニッポンイチ!」とか「た〜まや〜」とか言いたくなるくらい絵になる光景が繰り広げられてて、そんな事もあるからカフェは面白く、続けていられるんだなとも思います。


料理も大事だけど、人はそれ以上に大事で、色んな人が来てくれる事で自分達の中の風通しもよくなって、力をもらえてるように思います。
自分達にとっても大事な出会いの場所に、カゴノオトがなりました。
これからどんな出会いがあるのか楽しみです。
カフェに思う、おしまい。
明日は「お菓子」についてを書いてみます。

2016年10月10日

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