アドヴェントとシュトーレン
こんにちは。カゴノオトスタッフのあきです。
稲刈りが終わり、紅葉が色づき始めました。私の住んでいる地域では、10月から11月にかけて秋祭りが各集落で行われています。
カゴノオトの工房では今の時期、シュトーレンとタルトを大忙しで焼いているので、いつも甘い香りが漂っていて、仕事をしながらつまみ食いをしている気分です。
今月の旅日記は、シュトーレンとキリスト教の暦であるアドヴェントについて調べました。
アドヴェントって?
アドヴェント(待降節)とは、12月25日のクリスマスまでの4週間、キリストの降誕を待ち望む期間です。
キリスト教派によって名称や決められた儀式は違いますが、街中ではクリスマスマーケットが開かれてクリスマスムードが高まり、各家庭でもクリスマスの準備をして楽しみが膨らんでいく時間なのではと想像します。
クリスマスまでに4回ある日曜日を順番に、第一主日、第二主日、第三主日、第四主日とよびます。*1
4本のろうそくからなるアドヴェンツクランツ
Frank HerterによるPixabayからの画像
モミの枝など常緑樹で作ったアドヴェンツクランツというリースとろうそくを4本準備して食卓に飾り、第一主日には家族が揃って1本目のろうそくに火を灯します。
この日に初めて、シュトーレンにナイフを入れ、食べ始める家庭が多いようです。
その後、日曜日ごとにろうそくに火を灯していきます。
4本目を灯しおわると、クリスマスはもうすぐそこ。
一昔前のドレスデンでは、クリスマスイブから食べ始め、春のイースターまで食べ続ける習慣もあったようです。*2*3
ちなみに、シュトーレンは別名Christstollen(クリストシュトレン)とも呼ばれ、その名称からキリスト教との関係の深いものであることがわかります。
また、Striezel(シュトリーツェル)とも呼ばれ、シュトーレン発祥の地ドレスデンのクリスマスマーケットはそれにちなんでStriezelmarkt(シュトリーツェルマルクト)という名前がついています。*4
4月の旅日記でご紹介した巨大なシュトーレンがお目見えするシュトレンフェスティバルは、アドヴェントの第2土曜日に開催されています。
旅日記2022年4月号・馬車に乗せて運ぶほどの巨大なシュトーレン
ワクワクを1日ごとに味わえるアドヴェンツ・カレンダー
Kevin SandersonによるPixabayからの画像
アドヴェントに欠かせないもう一つのものが、アドヴェンツ・カレンダー。
12月1日から24日まで1日ずつ小さな窓がついた立体的なカレンダーです。*5
毎朝その日の窓を開けると、小さなおもちゃやお菓子が入っていたり、メッセージが書かれていたり、一日ごとにクリスマスまでの時間を心待ちにするとってもすてきなしかけだと思います。
こども向けにはチョコレートや小さなおもちゃ、クリスマスの飾りなどが入っているのが一般的です。
毎日一つずつ窓を開けていくごとに、楽しみなクリスマスの日に少しずつ近づいていくことを考えると、ワクワクする気持ちが高まってなんとも言えずテンションが上がりますね。
Stefan SchweihoferによるPixabayからの画像
advents kalender(ドイツ語でアドヴェンツカレンダー)でネットで調べると、デザインも中身もさまざまな、ワクワクする商品がたくさん出てきます。
こども向けには動物の形が作れる紙の工作、大人向けには、料理に使えるスパイス、紅茶のティーバッグ、ジャム、はちみつ、ナッツ、スピリッツ、ミューズリー、チョコペーストなどなど。
デザインも趣向が凝らされていて、見ているだけで楽しいものがたくさんありました。
ちなみに日本では、チョコレートはもちろん、コスメや香水などの高級なアドベントカレンダーも販売されているようです。
今年のアドベントは11月27日(日)~12月24日(土)です。
カゴノオトのシュトーレンは11月半ばからお届け開始予定。
どちらもワクワクする気持ちとともに、楽しみに待っていただけると嬉しいです。
*2,5:ドイツ連邦共和国大使館総領事館 アドヴェントとクリスマス
*3:『シュトレン ドイツ生まれの発酵菓子、その背景と技術』増補改訂版 旭屋出版P.19,24
*4大阪・神戸ドイツ連邦共和国大使館総領事館 ドイツのクリスマス
カゴノオトスタッフ 刈谷明子
徳島県出身。
徳島→東京→高知→四万十
東京の大学卒業後、高知の出版社で働いたのち、
NPO法人高知こどもの図書館で勤務。
その後、結婚を機に四万十へ移住。
現在、カゴノオトで受注や事務の仕事を担う。
認定NPO法人高知こどもの図書館理事。
2022年10月27日