夏シュトーレンのレモン
こんにちは。カゴノオトのあきです。
梅雨が早くも終わり、灼熱の暑さが続いている四万十です。
雲の形と空の色と、田んぼの緑がまさに夏色、目にも眩しい風景が広がっています。
カゴノオトでは夏の旬でつくる冷たいシュトーレンの発送が始まり、スタッフ総出で発送作業に励んでいます。
今月の旅日記は、今年の夏シュトーレンに新たに入ったレモンのことを紹介したいと思います。
レモンが入ることで、去年とは一味違ったおいしさになっている夏シュトーレン。
新たに仲間入りしたレモンは、カゴノオトのすぐ近くで農家を営んでおられる武市敏男さんから買わせてもらっています。
武市さんはお米やニラを主に生産していらっしゃるのですが、他にもいろいろな野菜や果物を育てておられます。
夏シュトーレンに入っているぶどうも武市さんの育てたもので、他にも、しまんと果実タルトや1年シュトーレンに使用している金柑(大粒でとても甘いのです。)も、武市さんのところで育ったものです。
ごろごろととても大きい四万十町産のレモンは、スライスして砂糖漬けにしました。(一部、高知県産のレモンも使用しています。)
砂糖によく浸かったレモンの果肉と皮を、細かく刻んで生地に練り込んでいます。
最後の仕上げには、キルシュワッサーとレモンシロップを生地になじませ、澄ましバターを塗って、粉糖をかけています。
大粒のブルーベリーの甘さに、レモンの爽やかな酸味がこっそりと隠れていい味を出しています。
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さて、いよいよ本題。みなさんは、レモンと聞くと、どんな場所で育っていると想像しますか?
私はギリシャやイタリアなど、地中海のイメージが一番に思い浮かびます。
スーパーでは、アメリカ産のレモンをよく見かけるので、アメリカでの生産も多いのかなと思っていました。
が、世界のレモン生産国は、1位から順にインド、メキシコ、中国、アルゼンチン、ブラジルだということです。
Greg MontaniによるPixabayからの画像
日本に輸入されているのはアメリカとチリからで90%を占めていますが、世界中の生産国の中で、アメリカは8位、チリは17位、世界の中で見るとそれほど生産量の多くない国から輸入されています。*1
レモンの起源と拡がり
レモンの原産国は、はっきりとしたことはわからないものの、おおよそインド北西部だと考えられています。
アラビア人が中東やアフリカに持ち込んだのが西暦100年ごろ、南イタリアにレモンが伝わったのは、西暦200年初頭のことでした。
また、エジプトやイランでは西暦700年ごろから栽培されていたといいます。
10世紀ごろまでは観賞用や薬用の植物として栽培されていましたが、アラビア人が11世紀にスペインに持ち込み、1150年までには地中海の国々でも広く栽培されるようになります。
1492年、新世界を目指したコロンブスの大航海がきっかけで、北アメリカ大陸と南アメリカ大陸の間にあるイスパニョーラ島にレモンが持ち込まれました。*2
スペイン人の開拓者や宣教師が他の果物とともに、フロリダやカリフォルニアにレモンを持ち込み植えたことから、アメリカでもレモン栽培が始まります。*3
ところが、1886年の大寒波によってフロリダでのレモン栽培は一時途絶え、1950年になって復活したということです。
ちなみに、日本では明治6年に静岡で栽培が始まり、栽培に適した天候の西日本に広がっていきました。*4
ビタミンCの効用
壊血病という、ビタミンCの不足が原因でかかる病気があります。
この病気は、海にいる間にフルーツや野菜を長い間取ることができない船乗りや海賊などによく見られます。
イギリスの海軍医は、柑橘類がこの病気を防ぐことを証明し、以後、イギリスの船には必ず柑橘の果物が準備されるようになり、実際に壊血病患者も出なくなったと言われています。
一つの果物が世界中に拡がり、栽培される過程で用途が増え、また病気まで治してしまうなんて、自然界の持つ力のすごさに圧倒される話だなと思いました。
ちなみに、ほとんどの動物はビタミンCを体内で合成してつくることができるそうです。*5
それもまた驚きです。
参考サイト:
*1:https://www.kudamononavi.com/zukan/lemon.htm
*2:https://www.thenibble.com/reviews/main/fruits/lemon-types.asp
*3:https://dpi.wi.gov/sites/default/files/imce/school-nutrition/pdf/fact-sheet-lemon.pdf
*4:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%A2%E3%83%B3
*5:https://dpi.wi.gov/sites/default/files/imce/school-nutrition/pdf/fact-sheet-lemon.pdf
カゴノオトスタッフ 刈谷明子
徳島県出身。
徳島→東京→高知→四万十
東京の大学卒業後、高知の出版社で働いたのち、
NPO法人高知こどもの図書館で勤務。
その後、結婚を機に四万十へ移住。
現在、カゴノオトで受注や事務の仕事を担う。
認定NPO法人高知こどもの図書館理事。
2022年7月1日