干し芋作りを見せてもらいに行ってきました。ーシュトーレン2020ー
こんにちは。小清水です。
今日は、干し芋のお話です。
今年のシュトーレンにも干し芋が入ります。
干し芋。お芋を干したもの?
確かにそうなんですが、これがとてつもなく手間暇がかかったものでした。
こちらの干し芋を作ってらっしゃるのは
中嶋恵子さん。
カゴノオトのとてもご近所です。歩いてすぐ!
私たちが今のところへ引っ越してきてからたくさん気にかけてくださり、「頑張ってよ。」とか、「ちゃんと食べてる?」など、いつも声かけてくださる恵子さん。
よそから来た(「移住してきた」をここでは、「よそから来た」とよく言います)私たちはこうやって声かけてくださる地域のみなさんにどれだけ助けてもらっていることか・・。
ありがとうございます!
今年は、この恵子さんから干し芋を買わせていただています。
この干し芋。こちらでは「きりこ」とか「ひがしやま」とか言われています。恵子さんは「きりこ」とおっしゃいます。
お芋は「かき芋」や「きりこ芋」と言われるものだそうで中が赤くてきれいなお芋です。
この干し芋作りは、まさに1年がかり。聞けば聞くほど手間暇がかかるものだとわかりました。
恵子さんの干し芋は、お芋から恵子さんが育てていらっしゃるもので作られています。
3月。お芋を土につけ芽を出す。
5月。芽が出たお芋の蔓(つる)を畑に植える。
秋。霜が降りる前に収穫。
秋から冬にかけてお芋を寝かせておく。
12月から干し芋に加工。
と・・・。
1年かけたシュトーレンに入れさせてもらう前に干し芋はすでに1年かけて作られています!!
貴重な干し芋の作り方を見せてもらいに行ってきました。
まずは、お芋を洗うところから。
上の写真の前くんが指を指している道具がこちら。
この道具でお芋を洗うのだそうです。
実は、この前日にお芋を洗う作業、皮を剝く作業をされていたのですが、私たちは帰省していてその様子は実際には拝見することができませんでした。でも、特別に何個か取っておいてくださり、デモンストレーションしてくださり見せていただきました。
まずこちらの樽にお芋とお水を入れて、あの道具でがしゃがしゃと洗っていきます。
洗った後は、お芋の皮を剥いていく作業。この作業で少しでも黒いところがあると、出来上がりも黒くなってしまうので、たくさん剥くのだそう。
お芋が2/3になるくらいきれいにきれいに剥いていくそうです。お芋をくるくる回しながら、きれいにきれいに皮を剥いていかれました。
この日はいらっしゃらなかったのですが、普段は、ご主人と一緒にこの作業をされているそうです。中嶋さんご夫婦はたくさんのお米作りや野菜作りもされています。
カゴノオトで仕込みをしているといつもお二人で田んぼの作業をされているのをお見かけします。そのお二人が仲良く作業されていている姿がなんとも素敵で、いつも「素敵だねー」と私と前くんは話しているのです。
おっと。話が横道に逸れました。話を戻して・・。
皮が剥かれたこのお芋たちを一晩水に浸けておくそうです。
そうして浸けてあったお芋を次の日に釜に入れて茹でていきます。
火を入れていくのはなんと!!こちらの釜戸。熱源は薪です。
そろそろお芋が出来上がったみたいです。恵子さんが蓋を開けてくださいます。
わーーー。湯気がいっぱい。
熱々のお芋が茹で上がっています。
茹でる時間を尋ねてみましたが「はかったことはない・・・」「触ってみて大丈夫だったらそれが目安」とのこと。
この熱々のお芋をお釜から取り出して
そして、このお芋の一つ一つを丁寧に形を整えていくのだそうです。
このようにハンバーグを作るみたいに一つ一つ。
去年もシュトーレンに干し芋を入れさせてもらっていましたが、こうやってお芋1本を一つ一つ形を整えててから干してあるということは全然知りませんでした。1つの干し芋は1つのお芋から出来ているということを知らなかったのです。
もうなんて、貴重なものなんだろう。こんな手間暇のかかっているものをシュトーレンに入れさせてもらっているんだと思ったら、ますます大事に使わせてもらわなくちゃと改めて思ったのです。
恵子さんの手できれいに整われたお芋たちは、こうやってきれいに並んでいきます。
この日はとってもいい天気。お芋たちは日にあたってピカピカしています。
この干し芋作りは、恵子さんのご主人のお母様が作ってらっしゃったのを恵子さんが引き継ぐようになってからずっとやってらっしゃるのだそう。「もう10年くらいになるかしら。」
恵子さんは「ずっと繋がっている作業なのよね。昔のことを思い出しながらやってる」とおっしゃいます。
昔は11月の終わりから作っていたけれど、今は暖かくなっているので、12月に入って作り始めていらっしゃるのだそう。皆さんよくおっしゃる今と昔の気温の変化。こんなに暖かいことななかったと、農業されている方からよく聞く言葉。
干し芋は寒くないと干している間にカビが生えて悪くなってしまうので一番寒い時期にされるのだそう。「作り始める時期が以前と変わってきている」と恵子さんはおっしゃっていました。これからどうなっていくんだろう・・。
そして、形が整えられたお芋たちは、今は何もない田んぼの上にできている洗濯物干しならぬ、特設「干し芋台」に移動され、たくさん並んでどれも陽の光を浴びていきます。
干されたお芋は、恵子さんが完成まで何度も表裏を返し、小さくなったら、また間を詰めて並べ直しを繰り返し、できあがりまで2週間。
数日後。恵子さんが表裏を返す作業をしているところを、うちの小さい人と一緒に見せてもらいに行ってきました。
お芋が大好きな小さい人は恵子さんから味見をちょっともらって、とてもうれしそう。(ありがとうございます!)
お芋並んでいるのもじっくりよく見ていました。笑。
干し始めはこんなぷくぷくしているお芋たちも干されている間に
色も変わりこんなに小さくなっておいしさがぎゅっとつまって出来上がり!!となるそうです。
干し芋の原材料はお芋だけでもちろんお砂糖も使っていないけれど、甘い甘い。干していく間にどんどん甘くなってまるでお菓子のよう。とてもとてもおいしいです。
すべてが手作業。作れる量は限りがあるので普段は予約ですべて終わってしまうそうなのですが、今年は、カゴノオトのシュトーレンにも入れさせていただくことができることになりました。
貴重な貴重な干し芋です。
これからラム酒に浸けてさらに熟成させて、大事に仕込みしていきます。
以上。恵子さんの作る干し芋レポートでした。
干し芋を前にカゴノオトで動画撮りました。
1年かけた四万十の旬でつくるシュトーレン2020のご予約は
こちらから↓↓
https://www.kagonote.com/p/item-detail/detail/i3.html
2020年2月8日