【カゴノオトのシュトーレンが生まれた背景 その1】
カゴノオトのシュトーレンの一番の特徴は1年かけて生産者さんから果物を仕入れて作るところです。
通常のシュトーレンは市販のドライフルーツを使って作られますし、その方が早くて簡単に作ることができます。ましてや1年も時間をかけて作るなんて普通では考えられないのかもしれませんが、四万十のおいしい果物と魅力的な生産者さんとの出会いに恵まれ、数々の試行錯誤の末この作り方にたどり着きました。
この過程を知っていただけたらよりシュトーレンを楽しんで頂けると思いエピソードを綴っていきます。
僕、前成照は広島の片田舎の兼業農家に生まれました。
休日は田んぼの手伝いをしていたので農業は身近な環境で育ち、2011年に東京から高知に引っ越してからは有機農家さんの元で働かせてもらっていました。
そこで働きながら感じたのは農産物の価格に労力が反映されていないという現実で、農業の大変さを知る身としては、農産物が「安さ」でしか評価されないことに悔しさも抱えていました。
と言っても農業の大変さを声高に叫んでも伝わりません。
何より現場で感じる地域の魅力、生産者さんの人柄は素晴らしいので、その良さを伝えて行こうと果物の育つ背景をお伝えし、素材のおいしさや製法にこだわって、産地の魅力を詰め込んだシュトーレンを作る挑戦が始まりました。
カゴノオトのシュトーレンにはちょっとした悔しさとそれをバネにおいしさを伝えていくという気持ちも含まれています。
また次回もシュトーレンが生まれた背景についてお伝えしていきますね。
カゴノオトの前でした。
2024年9月21日